でも、どうして琵琶湖の魚だけが巨大化するのか正直ナゾ!ということで今回は琵琶湖に生息するブラックバスが巨大化する理由を教えてください。
琵琶湖に生息するブラックバスの餌、品種、環境まで幅広く解説します。
「琵琶湖はでかいブラックバスが釣れる」
バス釣りをする人にとっては当たり前のことかもしれません。では、なぜ琵琶湖に生息するブラックバスは大きく成長するのでしょうか?
野池や河川、他の湖で釣れるものと比較すると平均サイズはもちろん、最大サイズも群を抜いています。過去の記録では日本記録に留まらず、世界記録級のブラックバスが釣れたことも。
琵琶湖の環境に特別な理由があることは確かですが、釣り人にとって「ブラックバスが巨大化する理由」はとても興味深いものでしょう。
そこで今回は、世界記録にも迫るサイズのブラックバスが釣れる3つの理由をご紹介します!
琵琶湖のブラックバス巨大化する理由を解説しつつ、琵琶湖でのバス釣りに役立つ情報も盛り込んでいるので、琵琶湖でランカーバスを狙っている、もしくはこれから挑戦しようと思っている方にもおすすめです。
ブラックバスでかくなる理由は食べてる餌にもある!琵琶湖のベイトフィッシュ解説記事はこちら
なぜ琵琶湖で世界記録クラスのブラックバスが育つのか
でかいブラックバスが琵琶湖で釣れる理由をご紹介する前に、まずフィールドポテンシャルの高さについて解説します。
琵琶湖では数々のレコード級のブラックバスが釣り上げられていますが、なかでも栗田学さんが手にした73.5cm、22ポンド4オンス(10.12kg)はけた違いのモンスターサイズです。その証拠に、この記録はIGFA(国際ゲームフィッシュ協会)によって世界タイ記録に認定されています。
日本記録の枠に収まらず世界記録に並ぶ魚が釣れる琵琶湖は、名実ともに世界一の湖と言っても過言ではありません。それほどまでに大きなバスが生息するのは「琵琶湖にしかない理由」があります。
琵琶湖のブラックバスがでかい3つの理由
琵琶湖のブラックバスがより大きく成長する理由のなかで、関係性が深いものは以下の3つです。
- ブラックバスの種類・品種
- 琵琶湖の豊かな生息環境
- 豊富な餌
琵琶湖という素晴らしい環境が成長を助けていることに加え、大きく育つ遺伝子を持った種類が生息しているため、世界記録クラスの大きさ・重さに成長します。これらの要素がすべてそろった水辺は滅多にないので、「琵琶湖のバスは違う」と言われるのも当然のことでしょう。
ここからは、琵琶湖のブラックバスがでかく成長する3つの理由を深堀りして解説していきます。
ブラックバスの種類・品種が理由で巨大化する
琵琶湖にはよりブラックバスの種類で巨大化しやすい『フロリダバス』が生息しています。
日本に生息するブラックバス(オオクチバス)は、「ノーザンラージマウスバス」と「フロリダバス」に大別できますが、フロリダバスの方がより大きく成長することが知られています。
この2種は側線有孔鱗数(ノーザン:68枚以下、フロリダ:70枚以上)と体の側面の黒い帯状の模様(ノーザン:明瞭かつ連続的、フロリダ:不明瞭かつ断続的)に違いが現れますが、見た目で明確に区別することは困難です。
なお、日本の野池や河川、ダム湖など多くの水辺に生息しているのはノーザンラージマウスバスですが、
- 琵琶湖(滋賀県)
- 池原ダム(奈良県)
- 七色ダム(三重県)
上記のような「デカバスの聖地」と言われる場所にはフロリダバスが生息しています。でかいブラックバスが釣れる数少ない釣り場として1度は足を運んでみたいと憧れる釣り人も少なくありません。
現にJGFA(ジャパンゲームフィッシュ協会)の記録では、上記3ヶ所で釣り上げられたビッグバスが多く登録されています。ただ、ノーザンラージマウスとフロリダバスは簡単に交雑(繁殖)するため、琵琶湖に純血のフロリダバスはほぼおらず混血のものが大半です。
混血ではあるものの、ブラックバスが巨大に成長する遺伝子を受け継いでいることに違いはありません。
琵琶湖の広大な環境が成長にストップをかけない
日本最大の湖である琵琶湖は約670㎢もあり、この広大な環境がブラックバスの成長に大きなメリットをもたらします。
魚を飼育している方はご存知かもしれませんが、水槽サイズに合わせて成長具合は大きく変わって小さな環境では小柄に、広い環境ではより大きく育ちます。その点で琵琶湖は野池や河川と比べると環境の広さから制約を受けにくいと言えるでしょう。
しかし、より成長を促す要因がもう1つあります。それは、「環境の多様性」です。
本湖はもちろん、
- 内湖(琵琶湖とつながる池や沼)
- 流入河川
- 河口
- 漁港
- 岩礁帯
- ヨシ群落
- 水路
- 砂浜
など、多種多様な環境が存在していて稚魚は隠れ家の多いヨシ群落、成魚は餌が溜まる河口といったように成長段階に合わせて最適な場所を選ぶことができます。
また、環境が多いことによって同種間での競合(餌の取り合いや縄張り争い)が抑えられ、他の水域と比較するとより多くの個体が大きく成長しやすい環境と言えるでしょう。
魚からエビまで餌が年中豊富
琵琶湖で釣りをしていて驚かされるのが、「餌の種類と量」です。
琵琶湖に生息するブラックバスの餌なっているのが、こちら4種類の生き物達です。
- 小型魚類(小鮎やワカサギ)
- 中型魚類(フナ)
- 甲殻類(スジエビ、テナガエビ、ザリガニ)
- 水生昆虫(ヤゴ、赤虫)
細かく上げるとキリがありませんが、年中問わず餌が豊富なので、大きなブラックバスを育む環境として申し分ありません。
また、稚魚から成魚になるまで成長に必要な栄養を際限なく摂取し続けられるため、大きさ・重さともに大型化する可能性が非常に高まります。
琵琶湖で釣れるブラックバスの成長スピードについて
琵琶湖に生息するブラックバスが大型化する理由をご紹介してきましたが、成長スピードはどうでしょうか?他の湖・河川と比べても気になるところです。
そこで、ここでは琵琶湖のブラックバスが何歳でどれほど大きくなるのか、また日本記録級のサイズまでに育つために必要な年数など、成長スピードについてお話しします。
※成長スピードは稚魚~成魚までの生息環境や摂餌量で大きく変化するので、個体差が生まれるのは考慮しておきましょう。
50UPクラスのブラックバスなら6年で育つ!
魚の頭部には耳石(じせき)があり、これを取り出して調べることで魚の年齢がわかります。
実際に年齢査定したこともありますが、他の水域に生息する50UPクラスのノーザンラージマウスの場合は6~8歳の個体の割合が多いです。
ただし、琵琶湖のバスの場合はフロリダバスの血が入っているので、それよりも速い4~6歳で50UPクラスに成長すると考えられます。
日本記録級のブラックバスが育つには10年必要!
琵琶湖に生息するブラックバスの成長速度から推測すると、日本記録級のサイズに育つためには10年以上を要するでしょう。
もちろん、良い環境と餌場に恵まれればこれよりも早く到達する可能性は十分考えられます。しかし、年月を重ねるにつれて成長が頭打ち(成長が滞る)になることが多いので、70cmを超えるようなブラックバスは琵琶湖でも非常に珍しい存在です。
琵琶湖のブラックバスは環境と品種が巨大化の秘密!
琵琶湖のブラックバスが巨大化する秘密は、広大かつ多様性の高い環境と豊富な餌、そしてフロリダバスの血にあります。
もちろん、どの要素が1つ欠けても大きく成長する確率がガクッと下がるので、琵琶湖の環境はブラックバスを狙う釣り人にとっては夢のような場所と言えるでしょう。
「日本記録、60cmUPクラス、そんな大きなブラックバスが簡単に釣れるわけがない」とお考えの方は1度琵琶湖に足を運んでみてください。
目を疑うようなサイズが足元を泳いでいることも珍しくはありません。琵琶湖で魚釣りをする、それだけで日本記録、世界記録のブラックバスが釣れる可能性を飛躍的に向上させるのが琵琶湖のポテンシャルです。
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