霞ケ浦とは、西浦・北浦・外浪逆浦と常陸利根川などの流入河川から構成される大きな湖の呼称です。最大深度は約7m、平均深度が約4mと琵琶湖と比べてもいたって水深が浅く、遠浅のシャロー地帯が続くマッディシャローレイク。
霞ケ浦は琵琶湖に次いで国内2番目に大きな湖で、JBやW.B.Sといったバスプロトーナメントも毎年開催されるほど、関東を代表するバス釣りのメッカであることは皆さんもご存知でしょう。特に休日ともなれば、地方から多くの釣り人が訪れ、釣り場は大混雑!ポイントを探すのさえひと苦労するほどのハイプレッシャーレイクと化します。
霞ケ浦と北浦は関東を代表するバス釣りフィールド
世間一般によくいわれている「霞ケ浦」とは、地元では「西浦」のことをそう呼んでいる場合が多いです。「北浦」とは全く別の湖として捉えられることが多いんですね。
霞ヶ浦の水質は、琵琶湖と比べてみてもはるか透明度が低く濁っていますよ。なぜ濁っているかというと、霞ケ浦本湖の周辺は、ほとんどが田園地帯。田んぼの周囲を網の目のように取り囲む霞ケ浦水系の流入河川は、稲作の時期になると代掻きの影響でどちゃ濁り。これが本湖へ流出し水質を悪化させる要因となっていると考えられます。
霞ヶ浦のブラックバスは、本湖へ通じている流入河川であればどこにでも生息しており、特に都心から車で約2時間弱とアクセスに便利な土浦エリアは、バスアングラーにとって人気のエリア、かつハイプレッシャーフィールドとして有名です。
霞ケ浦と北浦の違い
前述でお伝えしたように、一般的には霞ケ浦(西浦)と北浦は別々の湖として考えられることが多いです。霞ケ浦(西浦)の広さは約167㎢、北浦は約34㎢と、関東の他の湖と単体で比べてみてもとても大きな湖であることがわかりますね。
・霞ケ浦(西浦)(約167㎢)
・北浦(約34㎢)
・中禅寺湖(約12㎢)
・涸沼(約9.4㎢)
北浦は沿岸に近く、もともと汽水の色が濃いことからシーバスやサヨリ・ボラといった海水魚の生息が確認されており、バス釣りでもこれらの魚に当てはめたパターンフィッシングが数多く展開されています。
対する霞ケ浦の生態系は、ワカサギ・稚鮎・シラウオ・タナゴなどの淡水魚とアメリカナマズやブルーギルといった外来魚が主軸。北浦に比べ霞ケ浦は、人が多くてとにかくハイプレッシャー。地元のバサーでさえ、一歩間違えたら確実にバスが釣れない、デコる「デスレイク」として知られています。
霞ケ浦も北浦も広大な湖であることから、ブラックバスの魚影に関しては大差ないでしょう。それよりも人的プレッシャーの克服の方がはるかに重要かも...。
霞ケ浦と北浦で釣れるブラックバスの生態
霞ケ浦や北浦に足を運んでバスを釣るためには、魚がどのようなポイントについていて、どんなルアーによく反応するのかなど、ブラックバスの生態や有名ポイントについては知っておく必要があるでしょう。
霞ケ浦水系を釣り歩く場合、「本湖」と「流入河川」という2つのフィールドのどちらかをセレクトする必要があり、場合によってはフィールド次第でその日の釣果が大きく変わってきてしまいます。
様々な気象条件も加味しながらのランガンが好釣果に繋がりますので、まずは霞ケ浦水系で釣れる定番的な要素を事前にしっかりと把握して釣りに出かけましょう。
霞ヶ浦のブラックバスのメインベイトはテナガエビ・ザリガニ・巨大ワカサギにブルーギルなど!
霞ケ浦水系では、ブラックバスの餌としてテナガエビやザリガニといった甲殻類、ゴリやワカサギ、外来魚のブルーギルまでもがメインベイトとなります。その中でもひときわ目を引くのが15cmを超えるであろう巨大なワカサギ。ハードべイターの方には、これを意識したジョイクロなどのビッグベイトを使ったビッグバスゲームをおすすめします。
「極めてタフ」な霞ケ浦ですから、どうしても一匹を手にしたいというのであれば、ダウンショットリグにホッグ系のワームを付けたフィネスな釣り方、テキサスや霞ケ浦名物「ズボラリグ」などのバーサタイルに長けたリグを用いてストレッチを探る釣り方が定番です。
ブラックバスがよく釣れるポイントの共通点
霞ヶ浦エリアでブラックバスを釣るためには、ポイント選びが重要ですが、広大な湖の広さを誇る霞ケ浦で、数多くのポイントをじっくり探っていくと、時間がいくらあっても足りません。共通して釣れる場所のキーワードは、あらゆるフィールドで有効な「ストラクチャー」の存在です。
霞ケ浦本湖であればアシやガマなどが広がる長いストレッチ、または矢板・消波ブロック帯での釣りが実績が高くおすすめです。流入河川では、適度なカレントが発生する水門や自転車・タイやといった沈みものを、いかにして多く見つけられるかが釣果の分かれ目となります。
霞ケ浦と北浦で釣れるブラックバスのアベレージサイズについて
霞ケ浦や北浦で釣れるブラックバスのサイズは、小さいものから大きなものまで様々です。比較的釣れることの多いアベレージサイズは、シーズンを通して35~40cmくらいの印象です。
初夏~夏本番は、水路やスポーニングエリアと重なる水門などのポイントを狙うことで、小バスの数釣りも楽しめます。
霞ケ浦・北浦のバス釣りでおすすめのルアー・リグ3選
霞ケ浦水系も全国のフィールドでのバス釣りと同じように、基本はストラクチャー周りをタイトに探っていきます。矢板・蛇篭・杭・消波ブロック・ヘラ台・シートパイルなど無数に散らばるマンメイドストラクチャーを、様々なルアーやリグを用いて丁寧に撃っていきます。
霞水系のブラックバスはナーバスな個体が多く、ハイシーズン以外はなかなか魚からの反応が得られにくいかもしれません。特に陸っぱりといった足場が限られる釣り方ではなおでしょう。
ですが、霞ヶ浦でも必ず釣れる有名パターンというのは存在しますので、これからおすすめする3つのポイントを意識しながらできるだけ数多くフィールドに足を運んでみてください。
霞ヶ浦の広大なフィールドはクランクで巻いてカバー
霞ケ浦の釣りでクランクベイトの存在は外せません。ボート、オカッパリ問わずシャローが続くリップラップ、ブレイク、カバーなど、ブラックバスの居所を広範囲で探るためには完成度の高い1軍ルアーといえます。
おすすめのクランクベイトは、ジャッカルの「ブロックリッパー」やボトムアップの「リズィー」。エバーグリーンの「ワイルドハンチ」やO.S.Pの「ブリッツMR」なんかもストラクチャーにタイトにコンタクトできるので使いやすいですね。
霞水系のバスは、とにかく杭などの障害物スレスレにコンタクトさせないとバイトに結び付かないことが多いので、スナッグレス性能に長け、なおかつ遠投できるアピール力の高いものを選ぶことが重要かなと感じます。
足元の護岸はチャター系で巻いて探る
霞水系には、ヨドと呼ばれる淡水サヨリが生息しており、これをイミテートしたサヨリパターンが夏の間にハマる場合があります。シャローにあるアシ際や足元の護岸をチャターの高速巻きで流すと、もんどりうってデカバスがバイトしてくることがありますので、釣行の際はぜひ試してみてください。
おすすめのルアーは、ジャッカルの「ブレイクブレード3/8ozにリズムワグをトレーラーとしてセット」したものや「O.S.Pブレードジグ3/8oz + HPシャッドテール」など。
これらのチャターベイトは、着水点から足元までを一定のレンジをキープしつつ巻ききることができるのと、なおかつスピナーベイトやクランクなどに反応しないスレた個体をバイトさせるのにとても効果的なのでおすすめです。
夏の霞ケ浦で魚からの反応が得られない時は、ぜひ「サヨリパターン」を思い出してみてください!
ダウンショットでピンスポットは細かくチェック!
霞ヶ浦の3月~5月のGWくらいまでの春先では、ワカサギやシラウオといったマッチザベイトパターンを想定した釣りが功を奏します。その中でも特におすすめしたいワームが、ジャッカルからリリースされている「シザーコーム」や「DB ユーマ カスミ」といったソフトベイト。
これらのワームは、求愛行動で群がるシラウオにバスが食いつくシラウオパターンをあらかじめ想定したワームで、カラーも霞水系にマッチした多くの種類がラインナップされています。シラウオが集まるピンスポットにダウンショット、もしくはジグヘッドリグでこれらのワームを投入し細かくチェックすることで、高確率でこの時期のバスを手にすることができるのです。
霞ケ浦・北浦のバス釣りはハイプレッシャーだが面白い!
霞ケ浦・北浦でのバス釣りは、人口密集地の都心からもアクセスしやすく人も多いため、ハイプレッシャーでなかなか釣りづらいエリアであるのは間違いありません。
しかしながら、バスの食性や生態、釣れるポイントを考慮したうえであらゆるベイトパターンにハマった時の喜びは、他のどんなフィールドよりも計り知れないものがあるのも事実。周囲のアングラーに比べ、釣り方の工夫次第でデカバスに出会えるのも霞ヶ浦エリアの魅力といえます。
霞ヶ浦の季節毎のおすすめパターンフィッシングはざっくりと以下になりますので、釣行の際はぜひ思い出してみてください。
霞ヶ浦の冬~春 ワカサギパターン
霞ヶ浦の春~夏 シラウオパターン
霞ヶ浦の夏~秋 エビ・ゴリ・サヨリパターン
我こそはと腕に自信のある方は、ぜひ1度霞ヶ浦のバス釣りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。釣れたら結構なデカバスが期待できると思いますよ!
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