利根川は日本屈指の大河川としてお馴染み、霞ケ浦水系と並んで関東を代表する最も壮大なバス釣りフィールドとして知られています。水質は、沿岸に近い下流域に行けば行くほど汽水の色が濃くなるため潮位の影響を受けやすく、純淡水域でのバス釣りに比べて難しく苦戦を強いられる場合も多いのが特徴です。
まずは秋時期の利根川水系のブラックバスの生態をチェック!
秋に利根川のブラックバスを狙うなら、タイダルリバーである本流の下流域以外に、インレットやアウトレットをともなう排水路やそれに連なる水系の野池などに足を運ぶのがおすすめ。活性もまだまだ高く地合いともなれば所々でボイルも見られるので、冬ギリギリまでハードベイトなどの強い釣りを心行くまで堪能できるでしょう。
利根川水系に生息するおもな魚たち
常陸利根川を境に霞水系と合流する利根川水系には、淡水魚をはじめ多くの海水魚が生息しています。群馬県から千葉県の銚子市まで全長約322kmにも及ぶ巨大河川の生態系は様々で、沿岸に近い河口部では、ボラやサヨリ、クロダイやカレイの接岸まで見られるほど。
反対に群馬県の山間部へ行けば行くほどイワナやヤマメといった渓魚にもお目に掛れるほどバイタリティに満ち溢れています。また、中国から輸入されて大繁殖しているソウギョ・レンギョ・ハクレン・コクレンなどの外来魚も有名で、これらの稚魚を主食とするブラックバスの個体も多く存在していると考えられます。
利根川水系で釣れるバスのサイズは大きく引きも強いので、外来魚をイミテートしたビッグベイトを用いて新しい「ハクレンパターン」や「レンギョパターン」など、オリジナルな攻略法を編み出してみるのも面白いかもしれません。
利根川のブラックバスが秋を意識し始めるタイミングは?
利根川水系で秋のバス釣りを楽しめるのは、一般的に9月~11月の終わりごろまで。スモールマウスバスは、ラージマウスバスに比べ行動範囲も広く回遊する流域も広いので、堰提や消波ブロック帯など流れに変化が起きやすいポイントを狙うことで比較的簡単に秋時期の利根川ブラックバスをキャッチすることができます。
利根川でラージマウスバスを狙うの場合、晩秋に近づくにつれ、魚の反応も鈍くなり夏ごろによく釣れていたポイントでの反応が皆無になります。水系の河川や野池では10~11月くらいまで活性が高く釣りやすいですが、本流をセレクトした場合、ポイントの広大さから魚の居場所を探し出すのは陸っぱりでは至難の業といえるでしょう。
秋は天候の変化が著しく水温が徐々に下がっていく時期なので、1~2日前の気象条件を加味し、暖かい日が続くような日中を荒食いが始まるタイミングと考え、フィールドを選んで的を絞り込んでいきます。連日雨が続くような日を境に秋の到来を意識し始め、普段とは異なる広い範囲で様々なルアーにバイトし始めるのが利根川水系に生息するブラックバスの特徴です。
秋の利根川水系でバスを釣るためのエリア選び
広大な利根川水系で秋バスを狙う際、エリア選びはとても重要なファクターとなります。ラージマウスを狙うかスモールマウスにするのかによってもポイントは変わってきますが、基本は本流であれば消波ブロック帯や水門などの合流点、リップラップ、様々なストラクチャーをタイトに攻め切るのがベター。
気温が下がる晩秋に掛けては、温排水エリアを軸に釣りを展開します。ラージマウスバスは利根川の下流域、スモールマウスバスは下流~中流域まで幅広く生息が確認されているので、中流域の堰提などに足を運びじっくりとスモールマウスバスを狙ってみるのも面白いでしょう。
また、利根川水系には様々な支流や野池、足場の良い公園が多く存在します。本流域で釣果が出ない時は、比較的水温が安定しているこれらの小場所でブラックバスを狙ってみるのもおすすめ。
シーバスが純淡水域のかなりの上流まで遡上していることからも、イナッコパターン・稚鮎パターンでバスが釣れるのも利根川水系ならではの魅力です。スモールマウスバスならまだまだ水温に左右されずに11月終わりごろまでは、十分数釣りが楽しめるでしょう。
利根川水系のバス釣りでエリア選びが難しいという方のために、おすすめの中流域ポイントをご紹介します。
利根川水系おすすめエリア1.茨城県 取手緑地運動公園
運動公園内にある利根川本流から水門へと続く水路には、ナマズ・ライギョ・スモールマウス・ラージマウスバスなど多くの魚がベイトフィッシュを追いかけて入り込んでいます。50cmUPのブラックバスも頻繁に見かけるほどのポイントで、実績もある1級ポイント。
秋以降は減水して水位が下がりますが、利根川水系の中でも見えバスも多く水温も安定しているため、季節を問わず安定して釣果を叩き出せるおすすめのエリアです。
利根川水系おすすめポイント.水門前の浅瀬
夏のトップシーズンには、水位が上昇しバスがボイルしている光景を目の当たりにします。ベイトフィッシュも多く、回遊しているスモールの絶好のフィーディングポイント。
ミノーやシャッドなどをドリフトさせて、1段下がった落ち込みをピンスポットで狙っていきましょう。
利根川水系おすすめポイント.反対側のブッシュとトンネル
利根川本流に面する橋を挟んで反対側にも、辺り一面ブッシュに覆われたワンドがあります。足元はトンネルとなっており、見えバスを含むバスの魚影が濃いエリア。プレッシャー高めですが、あきらめずに通っていれば大型の個体に出会えることも多いポイントです。
利根川水系おすすめエリア2.千葉県 野田市八間堀親水広場横の野池
親水公園全体にバスの生息が確認されていますが、中でもほど近くにある名もなき野池は地元アングラーのみが知る隠れた好ポイント。ヘラ台や杭、桟橋、アシなどのストラクチャーが所々に点在し、歩いて1周できるロケーションは、まさにチョイ投げに最適です。
流れや水位の変化も通年を通してほとんどないので、どうしても利根川水系でブラックバスが釣れない時は、このポイントに足を運んでみてください。
利根川水系おすすめポイント.桟橋・乱杭
この利根川水系の流れを汲む野池でブラックバスを釣るポイントは、ストラクチャーのピンスポット。果敢にルアーにアタックしてくる秋バスの習性を利用し、クランクやシャッド、バイブレーションなどのハードベイトで広範囲を探るのがおすすめ。ジグヘッドリグのミドストでピンスポットすれすれを漂わせるのも効果的です。
利根川水系おすすめポイント.アシ際
ブッシュとアシが混在している複合ポイントは適度な水深があり、特に朝や夕まずめ時のフィーディングポイントになっています。水深は約1~1.5メートルほどですが、秋時期にはウインディーサイドとなり、風をシャットアウトできることからも北風が入り込むような寒い日にはとてもおすすめです。
利根川水系おすすめ3.千葉県 手賀排水機場合流地点
手賀沼水系と合流する超有望ポイント。テナガエビ釣りに訪れる釣り人も多く、ベイトフィッシュが豊富なことからもランカーサイズのバスが期待できるおすすめエリアです。周囲には複数のポイントが点在しており、秋のランガンにはぴったりなポイントで、過去にもデカバスの実績を残しています。
利根川水系おすすめポイント.合流点利根川本流側
水門を挟んだ利根川本流側の合流点は、足場もよく釣りがしやすいエリアです。晩秋のブラックバスは、冬に備えて徐々に暖かい水温のエリアに移動し始めるため、温排水が期待できる同エリアは、確実に1匹を手にするための有望ポイント。
スナッグレス効果の高いリグにスモラバやシャッドテール系のワームを組み合わせて、消波ブロックの際を丁寧に撃ち込んで探りましょう。
利根川水系おすすめポイント.手賀川
利根川と平行に流れる手賀川は、いわずと知れた有名バス釣りフィールド。排水機場周辺や本流の水門・ドックなど広範囲に渡ってランガンで攻め切りましょう。
秋の利根川水系でバスを釣るためのおすすめルアー・リグ3選!
広大な利根川水系の攻め方は様々ですが、本流ならカレントを意識したルアーセレクトが重要です。ブラックバスが付いてる場所はほぼ決まっていますので、水門や消波ブロック帯のボトム、レンジを意識しつつ広範囲を探れるものをチョイスしていきましょう。
気温の変化が激しい時期ですので、ノーバイトが続くようであればフィールドの移動も意識しつつ、確実に1匹を狙えるリグをセレクトする必要があります。ここでは、実績の高いおすすめのリグ&ルアーを厳選しご紹介します。
利根川水系おすすめルアー1.O.S.Pハイピッチャー
O.S.Pルアーの中でも群を抜いてよく釣れるのが、ハイピッチャースピナーベイトです。キャッチ率を高めるために1/4oz・5/16oz・3/8oz・1/2ozの全モデルのワイヤーとフックが統一化され、同ウェイトのトレーラーを共通して使うことができる優れたスペック。
アームの角度を調整することにより巻き速度を自由に変えられ、レンジに合ったスピードコントロールを実現します。春のスポーニング時に大活躍するスピナーベイトは、秋にもブラックバスを爆釣させる可能性を秘めています
型にはまれば、タダ巻きでも、ブラックバスがもんどりうって突然バイトしてきますよ。
利根川水系おすすめルアー2.OSPドライブクローラー
バスアングラーなら誰もが知る知名度のソフトベイト。一番のおすすめカラーはモーニングドーン、これはほんとに利根川水系で良く釣れるワームです。
ローライトの日やステイン程度の水質なら、全くバイトが得られない日にルアーをセレクトするだけで急に魚をキャッチできたりします。ダウンショットやジグヘッドリグで確実に1匹を手にしたい時にはおすすめです。
利根川水系おすすめルアー3.エンジンフォールスティック 3インチ
お魚店長厳選のオールシーズンを通して最も頼れるルアーの1つ。他のどんなルアーを使っても全く反応のないタフコンディション下でも、高確率でバイトまで持ち込めるマテリアルが肝です。
1g前後のジグヘッドリグと併せボトムバンプさせると、ボトムをついばむ小魚を演出し活性の低いバスを誘い込みます。カラーはグリパンチャート・みみずう・霞スペシャルが利根川水系でおすすめの釣れるカラーです。
利根川水系おすすめリグ1.ズボラリグ
霞水系で名の知れたユーチューバー「霞ブラザーズ」さん一押しのリグ。1度セットしてしまえばパンチショット・キャロ・フリーリグと変幻自在にリグチェンジが可能で、あらゆるシチュエーションを攻略できてしまうズボラな方専用のリグ。
リグり方は、デコイからリリースされているマルチシンカーロック「L-12」にスティックシンカー「DS-6」を組み合わせ、オフセットフックを装着すれば完成。マルチシンカーロックの代わりにダイワのハードシンカーロックでも代用できます。
サイズは、両方とも「Mサイズ」でぴったり。シンカーストッパーを超えて自在にシンカーを移動させることができるため、短時間でバラスことなくリグれるため超効率的。究極のバーサタイル性能を秘めたリグの持ち味をぜひ試してみてください。
利根川水系おすすめリグ2.アンビリーバボーリグ(スナッグレスネコ)
W.B.Sトーナメンター村川勇介氏いちおしのとにかく良く釣れるリグ。基本は、フロロ10ポンドラインにスイベル付きのN.S.Sフックパーフェクション「#1」をセッティング。
エンジン社のフォールクローラー4inに「1.3g」のネイルシンカーを施し、霞水系特有のフィルターユニットなど積み石エリアを撃っていきます。今まで出てこなかった魚なども反応してくるため、まだ秋バスに出会えていない方には超おすすめのリグです。
利根川水系おすすめリグ3.ジグヘッドリグ
秋の利根川水系でのバス釣りでおすすめのジグヘッドは、ハヤブサのブラッシュイージーを使ったリグり方。「2g」前後のブラッシュイージーに、O.S.Pのドライブクローラーもしくは、エンジンのフォールスティック・フォールクローラーをセットし、中層スイミング&ボトムバンプ。
ストラクチャーが絡むエリアであれば、高確率でブラックバスのバイト得ることができます。スナッグレス性能も高く、利根川水系でも良く釣れるリグとしてぜひ覚えておいて損のないマル秘リグです。
フォールクローラーであれば、クリアウォーターならA.O.Yシュリンプカラーがイチオシ。スモールマウスバスにも効果的で爆釣した実績も数多くありますよ。
秋の利根川水系でバスを釣るにはベイトフィッシュに合わせたルアーセレクトを!
「秋バスは気まぐれ」といわれるように、利根川水系でもこの時期は適水温からベイトフィッシュを追い求めてブラックバスが散る傾向にあります。時には、夏の時期に釣れていたポイントで全く反応がなくなり、多くのアングラーがスランプに陥ってしまうのも致し方ありません。
利根川水系は広く広大ですが、エリア選びによっては霞水系よりもブラックバスが釣りやすく、デカバスの実績も高いフィールドです。
利根川水系でブラックバスを釣るポイントは、ベイトの大きさに合わせたルアーをチョイスしていくこと。野池であればエビなどの甲殻類やごく小さなベイトフィッシュ、本流でれば魚の群れを想定したスピナーベイトを使っていくなど、サイズに合わせたルアーチョイスを意識していくことが好釣果への第一歩です。
釣りづらくなる冬に突入するには1歩手前の時期です。春に釣れたエリアを思い出してみるなど、水温・濁り・水深をリンクさせつつ秋バスの居場所を探ってみましょう。
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